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2006年05月08日
陶芸家の魂を写す■山口県萩市 濱中月村さん
陶芸家 濱中月村さんを撮影しに萩市に行ってきました。
大家窯
静かな山の中で何十年も美しい器を作り続けている陶芸家が静かに取材中に吐き出す言葉
「皿が絵を描かせるんですよ」
一言一言ずっしり心に響いた。
浮世離れした生活で、自由に生きてきたように見えて羨ましい限りだと思ったが、この人の作る作品には、もちろん繊細な誰が見ても美しいと思う作品ばかりだが、中には世の中に対する不満や怒りを爆発させるかのようなパワーに満ち溢れたモノもあった。
奥さんもいて、お子さんも3人、大きな家に住み、好きな仕事見つけられ、蛍が出る川を眺めながら作品を作る工房がある。
何が不満なんだろうか?どこから反骨精神が生まれるのだろうか?と私は、取材中ずっと考えていた。
「この雑誌の記事を読んだ方は、たぶん毎日ぎゅーぎゅー詰めの満員電車で通っているようなサラリーマン、そろそろ定年だっていう人が多いと思いますが、たぶん、羨ましい生き方だなと思うだけなんじゃないかなと思うんですが、月村さんなりの苦労がきっとあったと思うんですが、それはどんな事ですか?」と聞いてみた。
こんな一言ではなく、丁寧に長くお話してくださったが、
世の中と調和できない心の行き場に苦労したと、おっしゃっていた。
アーティストならではの辛さなのか?
でも、
あふれ出てしまう感情をぶつけるモノがある月村さんは幸せだと思う。
縁側や緑の向こうに見えるカワラ、美しい庭を写していると、雨が降ってきた。
すると、山から何千匹いるんだろう?カエルの大合唱が始まった。
雨が上がるとまた静かになる。
こんな穏やかな時間の流れの中で、土をこね、皿が焼けるのを待つ長い長い時間何を考えていたんですか?
取材は5時間以上続き、お昼を一緒に食べて、すっかり家族気分に浸っていた。
私はコーヒーカップなど数個の陶器を買って帰ってきました。
割らないように、使うたびに、カエルの合唱や蛍の小川を思い出しながら大切に使います。
本当に素敵な時間をありがとうございました。
また会いに行きます。
泊まった旅館
萩一輪
Posted by Yuko at 2006年05月08日 21:08
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