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2005年05月14日
忘れられない夜
2005年5月14日~16日
いざレッドカーペットへ
他のスタッフはもうすでにカンヌ入り、イビョンホンも私より前にカンヌに入っている。
私は一日遅れて一人カンヌへ向かった。
今年に入って何回目だろうか?成田空港。
私の家からは、空いていれば車で1時間ちょっとで成田へ着く、10年近くこの周辺に住んでいるが成田も羽田も近くて
新幹線にもすぐ乗れる品川駅も近い場所がいいと思ったからこのエリアを離れられない。
もちろん10年前の私は頻繁に海外へ行くような人ではなかった。
10年前渋谷の占い師に「あなた海外へたくさん行く仕事をするわよ」
とパスポートも持っていない私に向かって言った。
「ちょっとオバサン、あたしパスポートも持ってないし~ぃ、外人嫌いなんだけど~ぉ」
とあの占い師は、いんちきだと思っていたし、おバカ過ぎた私だったので、そんな事ある訳がないと思っていた。
そんな私が、一人でルフトハンザ航空に乗り韓国スターを撮影しにフランスのカンヌ映画祭へ行くなんて、あの頃の私に教えてやりたい。
成田→ミュンヘン→ニース。 ニース空港は2回目だが、小さい空港で三重県の南紀白浜空港
みたいな感じだ。
カンヌへ向かう有名人がたくさん降りてくるのをパパラッチが撮影している。
うわー後ろ向きであんなに連写できるなんて、すごい、やっぱり世界のパパラッチは違うな~とスーツケースを椅子
代わりにして座ってボンヤリ見ていた。
ちょっと待てよ、ボンヤリ見てる場合じゃない、こんな大男達と並んで撮影しなきゃいけないって事に気がつき
急に意味もなく立ち上がったり座ったりしていた。
おいおい須藤夕子、大丈夫か?
ポニーキャニオンの人や、現地のムービーカメラマンさん達がやってきた。
となりのターミナルでイビョンホン達が来るのを撮影するので少しここから距離があるから
車に乗ってとドライバーのおばちゃんに荷物を預けた。
となりターミナルに着きおばちゃんが勢いよく車のドアを開けた途端に私のカメラが入っているバッグが「ドガ」という鈍い
音と共に落ちた。
片腕が折れた気分だった。
28-70ミリのレンズがパッカリと折れたのだ。
このレンズさえあれば何でも撮れるというレンズで、私はかなりヘビーにこのレンズを使いまくるのだけど、
うわーどうしよう(涙)。
あと2本のレンズでどうにかするしかない。
とにかく、泣きたい気分になったがカメラが壊れてないという事で不幸中の幸いと思うしかない、腕は折れても目は見える!いざ戦場へ。
今回はビョンホン氏、キム監督、シンミナちゃんなどが空港に到着する所から、レッドカーペットや海外メディアに取材されている
所プライベートなオフショットまで、たくさんたくさんスーパーキラースマイルを撮影しなければいけない。
3時間の睡眠後、翌朝の天気は晴れ、気持ちいい静かな朝。
カンヌの中心地から30分ほど離れたところにある4つ星のホテルに泊まった。
「オベルジュ ドラヴィニェット オートホテル」
オリポー村にあるホテルで夜になると松明が点されロマンテックでっす。
TEL 0493422001
370 route du Village 06810 Auribeau
150ユーロ~220ユーロ
朝食も食べずに、ビョンホン氏が泊まるグランドホテルへ向かった。
10時ビョンホン氏ガーデンで朝食を撮っている、すぐにフランスメディアの取材を受ける。
シンミナちゃん、時差ぼけかな?少し元気がないように見えた。
「スチールカメラマンの(須藤さんの)パスが取れないんですよ」とレッドカーペットに入って撮影するパスが取れないという事で朝から晩まで
その問題は解決されない。
アジアのメディアは少し差別されて、なかなかパスを貰えないらしいとも話している声が聞こえた。
まあレッドカーペットの撮影は夜中1時だし、それほどチェックも厳しくないだろ、大丈夫、大丈夫なんて思っていたが、
かなり厳しい。
おいおい、私は何のためにきたんだよ、何のために洋服まで買ったんだ?
一日中パレとグランドホテル(1キロ)を何度も何度も往復。
記者会見の撮影、ビョンホン氏のインタビューの撮影、カンヌの景色の撮影などなど、シャッター押して押して押し捲った。
PM10:00 ビョンホン氏が泊まっている部屋に着替えを置かせてもらっているので、そこでフォーマルの服に着替えをしてといわれる。
ビョンホン氏の泊まる部屋で着替え?!
なかなかできる事ではない。もちろん彼はいないが。
AM11:45もう時差ボケもあるし、慣れない仕事で気を使うので、ヘトヘトになっていた。
浜辺の大きなスクリーンではスターフォーズ3が上映されていて
最後のGeorge Lucasという文字が下から上へ上がり、拍手の音は水面を反射して私の耳を突き抜ける
意識朦朧としながらレッドカーペットへ向かった。高いヒールで足がイタイ。。。
ドーン、ドドドーン
夢なのか?現実なのか?
もうこのまま死んでもいいと思うくらい、キレイだった。
花火は、「もう少しだ夕子頑張れ」と言ってくれているように上がっていく、何発も何発も。
須藤夕子やりますよ!
図々しさは、ここ数年で培ったモノじゃないんだよ。斜め横断当たり前、赤信号も渡れ!と育てられた私です。
赤い絨毯、パスなしで横断しますよ!
絨毯に上がる手前セキュリティーマンがいる所をすっと入ろうとしたがつまみだされた。
やっぱダメか、、
とにかく外からでも撮らないと、私が来た意味がないんだからガンバろうと気を取り直し遠くからビョンホン氏の
登場を撮影、「ビョンホン氏~ぃ!!」と誰よりも大きな声で叫んだ!!ビョンホン氏こちらを見る!目線ゲット!
現場はごった返していた。
今だ!
赤じゅうたん横断、成功。
たくさんのスチールカメラマンに紛れてバシャバシャ撮影。
「あれ誰?あの人?(あのジャップ)」セキュリティの人ももう飽きれて、何も言わなかった。
大成功!!撮りましたよ!!
この後スクリーンで甘い人生を上映するのを見て(ほとんど寝てました、ゴメンちょ)
スタンディングオベーションにグッとキているビョン氏を撮りながら、私もグッとキてしまった。
ホテルに戻ったのは5時寝たのは6時半、翌朝10時ホテルを出て、また撮影。
がんばったな~。
でもホントにいい経験ができてよかった。
ムービー隊の岸本さん、ステファン、通訳のイムさん、ポニーキャニオン杉原さん元井さんほんとにありがとうございました。
忘れられない夜、一生語れるような思い出をホントにありがとうございました。
須藤夕子
Posted by Yuko at 2005年05月14日 11:07
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Comments
感動したのでコッチでも書き込み・・・
10年前の占いの話しなんていいね。オレは10年後どうなってんだろ。なんて思っちゃいました。
これからもパワフルな活躍期待してます。
読んでオレも頑張る!!って気になりました!!
Posted by: コルレオネ at 2005年05月21日 11:52
夢に賞味期限をつければいいのさ~ぁ。
Posted by: sudo yuko at 2005年05月21日 12:36
夕子様、はじめまして♪ カンヌ映画祭での出来事が懐かしくなってしまい、つい書き込んでしまいました^^;
2005年5月14日その日、私もひとりパリ経由でニース空港に降り立ったひとりです。(それも田園地帯から♪)
思えば、その10日前にはまだ自分がカンヌに行くことになるとは。。。
でも以前から、1度は映画祭開催中にあの"POWER"の集まる場所へ行きたかったものですから、空港券だけを持ちフランスへ。
そこで奇跡が!
到着口から荷物を持って出ていくと、なんとイ・ビョンホンさんが私をお出迎え!? え~~!?私の後に監督とミナさんが続いていた!? パリ-ニースの空の旅がこんな夢の旅になっていただなんて・・・
もしかしてその夕刻の空港ロビーで、夕子さんともお会いしていたのかもしれませんね♪
Posted by: Bittersweet Madame at 2006年06月18日 00:13